「キログラム」の定義が変わる

2018/11/27


質量の単位『キログラム』の定義が、約130年ぶりに従来の分銅から変更されるようです。
1キログラムは19世紀末に作られた白金イリジウム合金製の分銅の質量を基準としています。
この分銅はパリ郊外の国際度量衡局に保管されていましたが、年月とともにわずかに質量が変化していることが判明し、精密な測定に支障が出かねないため、定義の見直しが検討されていました。

新しい定義では、光に関する物理定数『プランク定数』をもとに定めるため、測定技術の進歩で定数をより精密に求められるようになるそうです。今後は分銅などの特定の物体に頼らなくなるので、手間のかかる管理や誤差の心配はなくなるそうです。

つまり、「基準としていたもの」が月日の流れによって変化してしまうことを防ぐために、「基準となるもの」を変更するということです。基準となるものが代わるだけであって、実際の生活では何も変わりません。100 gのりんごは100 gのままです。

今回、『キログラム』に加え、電流、温度、物質量の単位も定義が変更され、それぞれ測定技術の進歩などを受けて物理定数を基準にした値に変更されるそうです。



2018年のノーベル医学生理学賞を受賞することが決まった、本庶佑京都大学高等研究院特別教授は受賞の際、こう言いました。

「教科書を信じるな」

かなり言葉が抜けていて乱暴に聞こえますが、教科書をそのまま鵜呑みにすることは勉強ではない、「本当はどうなっているのか」という心を持ち、実際に原理原則を実験を通して「自分の目で見る」、それから「納得する」ということが大切だということです。

技術は日々進歩を続けています。今までは常識だったことが常識でなくなるのです。今回は「定義」が代わるだけなので、実生活や計算式は何も変わりません。しかし、これから技術が進歩しオームの法則が、V=IRでなくなるかもしれません。
だから、『教科書を信じるな』

世の中で起こるすべての事象に疑問を持ち、常に考える習慣の大切さを再確認しました。
皆さんはどうですか、一緒に教科書に乗っている常識を疑ってみませんか?
 

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